施政方針

施政方針

平成30年度 施政方針

1.はじめに

 議長さんのお許しを頂きましたので、平成30年度当初予算の提案にあたり、町政運営の基本方針とその概要を申し上げます。
 昨年、多くの町民の皆様のご支持を賜り、町長として2期目を迎えることができました。
 1期目の4年間の取り組みに対する信任と、今後に寄せる期待と受け止め、感謝の気持ちと身の引き締まる思いでいっぱいであります。1期目におきましては、議会を始め、町民の皆様に多大なるご理解とご支援を賜り、職員の皆さんも、実によく働いてくれたと感謝いたしております。
 おかげさまで、防犯カメラやゾーン30の設置、健康マイレージや休日保育の拡大、学校支援員の増員や松江市との姉妹都市提携、さらには、北保育園の建設や土地利用の見直しによる50年後を見据えた企業誘致、念願の国道41号線の6車線化に伴う幹線道路の整備など、将来に向けた多くの施策が数多く芽吹き、定着に向けて現在も継続されているところであります。
 新たな会社の建物やLED化された防犯灯を見るにつけ、少しずつではありますが、まちの様子の変化を実感するものであります。
 こうした中で迎えた、平成30年度の予算編成は、引き続き増加傾向にある社会保障、福祉関連事業費等、経常経費の増加や、道路や橋りょうの生活基盤、老朽化した公共施設についても設備の更新時期を迎えており、間もなく直面する、法人町民税率の改正に伴う税収減少への対応も迫られている中で、取りまとめを行ったところであります。
 町財政運営は、様々な課題に直面し、いっそう厳しさを増す中で、可能な限り行政水準を落とさず、新たなニーズに応えるためには、よりいっそう、施策の選択と集中によって、経常経費の抑制を図り、限られた財源を有効活用しなくてはなりません。
 私達には、このまちの豊かな暮らしが孫子の将来にわたって継続するよう努力する責務があります。
 そして、住民の皆様に「大口町に住んで良かった。」「大口町のことを誇りに思う。」など幸せを感じていただけるよう、創意工夫を凝らして施策を進めたいと考えています。
 本年も、大口町の未来、輝く水と緑 元気な暮らしひろがる 自治のまちおおぐちの実現につながる重要な1年であることを意識し、常に第7次総合計画及びまち・ひと・しごと創生総合戦略を念頭に置き、事業の精査と進捗状況の検証を重ねながら、町政運営に臨んでまいります。 

2.行政運営方針

 続きまして、行政運営方針であります。
 大口町は、地方分権時代を迎えた当時から、自立と共助のまちづくりを掲げ、地域住民の皆様と共に考え、判断、決定し、役割分担の中で各々が主体的に取り組む、地方自治の原点に立ったまちづくりを進めてまいりました。
 従って、様々な分野の施策、事業は、前例にとらわれない横断的な発想に基づき総合的かつ大胆に推進してきています。
 他団体に先駆けた、公共施策を住民の皆様が担う姿も随所で見られ、徐々にではありますがその輪が拡がりつつあります。
 高齢社会を迎え、財政状況が厳しくなる中、全てのニーズに満べんなく対応することには限界があります。
 第7次総合計画に示しているまちづくりの尺度「安全」「協働」「共生」「公平」「発展」「効率」を常に意識して、必要性や将来性などによって優先度を定め「あれも、これも」から「あれか、これか」。
 そして、重点的に進めていくべき施策については、戦略的に経営資源を投入する決断をしてまいります。  

3.当初予算案の概要

 それでは、平成30年度の当初予算案についてであります。
一般会計予算案は90億円、8特別会計予算案の合計は、46億9,626万5千円、総額136億9,626万5千円であります。
予算編成に当たっては、右肩上がりの財源確保が難しい時代、施策のスクラップ&ビルドを徹底するために、各所管課に一般財源を枠配分し、その中で、経営計画を策定し、財政担当において集約し調整をいたしました。
 また、経営計画の策定に当たっては、本町の羅針盤である、総合計画及び、総合戦略を指針とし、住民の福祉の増進を切に願い、最小の経費で最大の効果を上げるために、限りある資源を最大限、配分したところであります。

4.施策体系とその概要

 次に、平成30年度の主な施策について、総合戦略に基づき、説明させていただきます。

(1)若い世代の定住・子育て支援
 高齢社会が緩やかに進む中、バランスある人口構成を維持させていくために、まずは町民の皆様に、大口町の魅力を知っていただく取り組みとして、シティプロモーション事業を推進しているところです。
 また、「大口町に住んでいて良かった。」と実感していただけるよう、保育園、小中学校を始め、地域自治組織、おおぐち歴史ガイド等、様々な組織と協働し、郷土の偉人である堀尾吉晴公など、このまちの歴史、文化の学びの場を増やし、次世代へ継承することによって郷土愛を深め、「大口町民としての誇りの醸成」を図ります。
 合わせて、こどもを産み育てるならば大口と思っていただけるように、昨年10月に開設した子育て支援センターを拠点として、保育園や児童センター、幼稚園と連携し、子育て支援機能のさらなる充実を図ります。
 さらに小中学校では、タブレットを利用した効率的な授業を試行的に取り組み、サポートルームさくらによる学習支援や、奨学金返還支援などを通じ、家庭環境に関わらず、子ども達が将来に夢を持って自らの人生に向き合っていけるような、確かな学びの支援をいたします。

(2)健やかな暮らしづくり
 安心で幸せな健康長寿社会の実現には、いきいきと健康に長生きできる、健康寿命の延伸に力を注がねばならず、一人ひとりの暮らしや価値観に沿った、多角的なアプローチによる、健康づくりや生きがいづくりが必要であります。
 具体的には、生涯学習やスポーツ、地域活動など、分野間の横断的な取り組みがより活発になるよう、そういった活動、住民交流拠点の環境整備として、健康文化センターや町民会館、学習等共同利用施設の改修や、総合運動場の照明のLED化を進めます。
 また、地域ニーズに合わせた憩いの場として28年度から取り組んでまいりました旧北小学校跡地に整備中の多世代が集う憩い広場公園につきましても本年度に完成をさせます。
 さらに本格的な高齢社会を迎えるにあたり、住み慣れた地域で安心して住み続けられる仕組みの一つである、「地域包括ケアシステム」の実現は急務であることから、地域自治組織等にご協力を頂きながら、その検討に入った所でございます。
 大口町は介護認定率が低いと問題視されることがあるようですが、私は見方を変えれば、それはこのまちの皆さんが、健康で自立した暮らしを送ってみえる、幸せの証ではないかと感じることもあります。
 そこには町民の皆様の「今日行く所、今日やる用事など自分でできることは自分でやるぞ。人の世話にはならないぞ。」という気概があることを承知しており、私はこのまちの大きな財産だと思っていますし、本当に支援が必要な方には相応のサービスをお届けしなくてはなりません。
 この大口町、人と人が触れ合える、丁度良い規模であることを生かして、それぞれの状況にあった本当に必要なサービスを、地域の皆様と協働して提供できればと考えているところです。

(3)活力ある産業づくり・安定した雇用の創出
 先人が培ってきた自立可能な財政基盤を、将来の世代に引き継いでいくため、50年後のまちの礎となる、産業振興や生活基盤整備を重点課題とし、その具体策として、秩序ある土地利用を堅持する企業立地推進と、道路橋りょうの改良事業に注力します。
 年始には国道41号線の6車線化に向けて、外坪地内の横断函渠が取り壊され道路の高さが下げられました。国道41号線と大口町内の車の移動が円滑に進むよう、町道内津々線や町道秋田21号線の整備を進めてまいります。
 道路網は、人に例えれば血管であります。その整備は、血管を掃除し流れを良くすることになり、人の暮らしや企業活動、土地利用に変化をもたらします。
生活基盤整備は、将来展望を持って地道に継続して取り組めば、より良い暮らしが実現する、大きな可能性を秘めた「まちづくり」であります。
 交通量が増え車輌が大型化し通行に支障をきたしつつある柿野橋についても、接続する国道41号線工事の北進に時が合うよう、今年度、拡幅や歩道設置に向けた測量設計に着手し、31年度から架け替え工事に入りたいと考えております。
 また、萩島地区の皆様にご理解を頂いた、トヨタ部品センター拡張に伴う造成工事がいよいよ始まります。
 現在も、複数の企業から用地確保のお話を頂いており、民間の取り組みでは成し得ない、まちの将来像を見据えた、工場の新増設や設備投資に対して支援してまいります。
さらに、そういった相談窓口を一本化して、対外的により分かり易くするためにまちづくり部を設置し、商工振興策を所管する産業建設部と連携強化を図ります。
 なお、平成31年度中の条例制定に向けて中小企業振興条例の検討会を設け、ソフト事業の支援についても積極的に推進することで、町内企業の流出防止や雇用の維持拡大につながればと期待するものであります。

5.むすび

  私は平昌(ピョンチャン)オリンピックの開会式で、感極まり目に涙を浮かべ入場している選手の姿を眼にした時、その選手の、絶え間ない努力を重ねた日々とその気持ちを感じ取り心の底から「応援したい!」と思いました。
 そして、多くの感動的な場面もさることながら、幾多の選手がインタビューで「周りの方々の支えのお陰」という言葉を口々にし、世間から注目される以前から、選手の志を支え、そこにまた賛同者が現れる、人と人が志でつながる「輪」の重みに、改めて深い感銘を受けました。
 以前、陸上競技のリレーのお話をしたことがありますが、今回のオリンピックでも、チーム競技はもとより、個人種目においても、ライバル同士が切磋琢磨しながら仲間となって支え合ったという話を数多く聞きました。
 まさに日本人です。個々の力では劣っていても、皆で弱点を補い細かな点まで共有して無駄を削り出す知恵であります。
 また、長野五輪や恩師、先輩の姿を語る場面も多々、ありました。
 日本の冬季オリンピックでの初メダルはコルチナの猪谷氏で、私達の記憶に残る札幌はその16年後、ジャンプ陣が金銀銅メダルを獲得しました。そしてメダルを量産した長野はその26年後。そして今回の平昌(ピョンチャン)まで20年。メダルの数がすべてではありませんが、幼少期の感動が夢を育み、周りの支えがあって実を結ぶ。他のスポーツ競技でもそんな栄枯のサイクルが見て取れます。
 幾度となく語られてはいますが、昭和の大合併で辛い思いをした私共の先人は、そこで卑屈にならず、今の暮らしより子や孫の時代を憂い、英断と弛まぬ努力によって自立可能なまちづくりを進めてきた、このまちの歴史も同じであります。
 明治の変革期に野田正昇氏が登場し、その四半世紀後に社本鋭郎初代町長、さらに四半世紀後に叙勲者を多数輩出している年代がみえ、わたしはさらにその四半世紀後の世代であります。
 もちろん、その間も幾多の方々によって、綿々と受け継がれていることに敬意を表してはおりますが、私が常々心に留め、皆さんに訴えたいこと。
 まずそれは、先輩が後輩に背中を見せ、後輩はその姿から志を持ち知恵を授かり切磋琢磨する。個人の利害ではなく志を同じくするものが、合い集い仲間となって事に当たることで、より志を高め合えるのだと私は信じています。
 人はいつの時代もこういった、何かに触発され、何らかの志を掲げ諦めず向き合い続けた者が、私達に感動を通して志や継続の大切さを伝えてくれることを歴史から学んでまいりました。
 私もこのまちの先人の振る舞いや、幅広いお付き合いの中で、想いや英知を持った先輩諸氏に薫陶を受けて今があります。
 そしてもう一つ、今を謳歌するのではなく、世間に認められるような華やかな成果につながる可能性を持った小さな種まきや芽生えの保護、そして生育の応援を続けることにも尽力せねばなりません。
 特に子ども達にとって、私たち大人は憧れの存在でなくてはならず、例え子ども達に歓迎されなくても、幼少期に大切な「気づきや学びの機会」を提供し続ける、何を気づき、学ぶかは、それは、それぞれの子ども達に委ねれば良いのです、答えなどありません。
 私は経営者として40数年間生きてきましたが、お金の大切さ、危うさ、事業継続や組織運営の難しさなどを体験してまいりました。今、日々、町長という重責を全うすべく、その体験を活かして事に当たっており、これからも常に、50年後の未来につながるまちづくりを、と言い続けるつもりであります。
 未来は、与えられるものではなく、私共一人ひとりが志を掲げ、それぞれが得手な分野で生き生きと暮らしてゆく、結果としてその一部が公益に寄与し、行政は、協働の精神を念頭に、その支援や全体のコーディネート、皆さんの力では成し得ない分野を受け持つものだと強く思っております。
 社会はさらに変化し、元号も間もなく変わろうとしています。
 歴史や古きものを大切にしながらも、慣例や経験にとらわれず、変化や失敗を恐れずに、誇りあるまち、活力あるまち、夢を抱く若者・子育て世代のまち、健康で、安全・安心のまちを、皆が主人公となって共に創っていこうではありませんか。
 これからも、議員の皆様を始めとする町民の皆様、そして職員の皆様の、いっそうのご理解とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げまして、平成30年度の施政方針とさせて頂きます。ご清聴ありがとうございました。

平成30年2月28日 
大口町長 鈴木 雅博

平成30年度施政方針(PDF 206KB)

更新日 2018年3月1日